石州瓦とは

石州の青い海辺にたたずむ小さな漁村の赤い屋根、
緑の山陰にひっそりと静まりかえる農家の赤屋根、
それらが日の光に輝いて石見の風景を彩っている。
 
石見に住む若者には見慣れているこの赤い屋根も旅する者にとっては石見を感じさせる珍しい風物の1つである。
 
この石州瓦は江戸時代、石州和紙、石見丸物、干鰯、長浜人形をならんで石見の特産品だった。
 
これら特産品は北前船によって諸国の人々の目にふれることになり、ことに石州瓦は、いて(凍害)に強く、寒い地方では重宝されたとある。
 
本来待瓦は水5割に対し来待石を粉砕したモノ5割で調合し施釉するところ、サビ瓦は水8割に対して来待石2割の釉薬を施釉いたします。仕上がり具合は淡い赤褐色。

ガラス質の被膜を形成する来待石の割が少ないため、光沢が静かで淡く沈んだ風情のある色合い錆を帯びる様を形容して「サビ瓦」と称されました。
 
かつては、この地方においてもかなりの数が生産された時代があり、現在残る古い石州の「赤瓦の町並み」の赤瓦がこれにあたります。
 
 
 

焼成温度

伝統技法に基づき22時間に及ぶ超高温焼成。
最後の2時間強は連続して1350度に及ぶ超高温焼成に費やし、堅牢性にこだわります。硬質な被膜である来待石釉薬は1200度からの高温焼成のみ融解が進むため1200度以下では石州瓦の来待色に発色しないのです。
 
高温で焼くことのデメリット
・瓦が反りやすい・ひびが生じやすい
・大量生産ができない。
 
大量生産ができないからこそ微妙な色や形をニーズに合わせ一枚一枚を手造りしています。
 
 

釉薬

亀谷窯業で扱う釉薬は、島根県奥出雲で採れる来待石。松江城をはじめ城下町の至る所にみられる来待石。江戸時代、松江藩主は持ち出しを禁じたほどと言われています。宍道町の来待石と都野津の陶土が出会い高品質な石州瓦が生まれました。山陰はおろか北前船によって北陸から北海道にも運ばれ島根県の石州瓦は日本三大産地の一つとして、大きく発展してきました。
来待釉薬にこだわり続けて創業200年。来待釉薬だけで石州瓦を焼いているのは亀谷窯業だけになりました。本物の石州瓦「本来待瓦」ほんきまちかわらと銘しました。来待石も耐火度の高い粘土も貴重となっています。来待石は耐火度が極めて高く1350度で焼くことではじめて赤く発色します。そのため来待釉薬にこだわることは、高温焼成にこだわることになるのです。
 
 

吸水率

焼物の「気孔」に水分が浸入し、その水分が凍って膨張します。その体積の変化が瓦の組織をボロボロに壊していきます。焼物は高温で焼けば焼くほど「気孔」が小さくなり水分を含み難くなります。当社は超高温1350度で焼き締めることにより、水分の浸入を防ぎます。
 
 
 

吸水率

曲げ破壊強度

焼成温度

釉薬について